インタビュー

自動車業界担当の転職エージェントが語る自動車業界の未来と転職事情

人材紹介会社パーソルキャリアの現役社員へのインタビューだが、担当している自動車業界に関する話が面白かったので、特別編ということで自動車業界に特化したインタビューを掲載する。自動車業界の人、また家電メーカーやIT業界のエンジニアにも見てほしい。今後の日本の自動車メーカーを危惧している内容となっている。

自動車業界に在籍しており、既に転職を考えている人ならまずビズリーチに登録しておこう。ビズリーチはスカウトメールも来るので転職に悩んでいる場合にも情報取得のためにも良いだろう。

はじめての転職でとにかくエージェントからの質の高いアドバイスが欲しいという人であれば業界大手のリクルートエージェントも併用して使おう。

既に自動車業界の歴が長く、年収が高いから転職しにくいという人であればJACリクルートメントにも登録しておこう。高年収の求人を多く取り扱っているのでおすすめしたい。

外部からコンサルとして、自動車業界に影響を与えたいという人であればアクシスコンサルティングでコンサル求人を探すのも良いだろう。

多くの企業で採用プロセスに課題がある

-特に自動車業界だとエンジニアが不足している現実がありますが、各社どのようにこの問題に対処しているのですか。
エンジニアに限った話ではありませんが、一般論から入ると、採用のプロセスのどこかに採用課題がある場合がほとんどです。「採用できない」原因は
-歩留まりの悪さ
-面接のやり方が候補者に刺さらない
-求人の打ち出し方が悪い
-転職フィーの問題
といった、フェーズごとに問題があります。

-歩留まり(ぶどまり)が悪いとは具体的にどういうことでしょうか。
例えば、面接回数が多い企業はどのように感じるでしょうか?受ける回数が多いとプロセスが面倒になり、その間に他の企業に決まったら、辞退されますよね。また、面接を受けてから内定を正式に出すまでに時間があっても、企業に対して良い印象を持たないでしょう。日本の大企業は形式的な承認プロセスが非常に長く、面接をしてから内定を出すのに1か月以上かかる会社があります。ハンコがいったりきたりで、只の時間の無駄です。

先ほどは企業名を挙げていませんが、カーナビや、PCスマホ関連のデバイスを販売している某大手電機メーカーだと採用プロセスを超短期化させ、面接回数とハンコの数を削る事で歩留まりを改善し、入社してくれる人を増やしました。受ける人から入社にいたる人の割合が1%というかなり低い企業が超大手メーカーでもざらにあります。

転職面接と内定出しのスピードが内定辞退率と完全に相関しているので、そうしたデータを見せることで各企業の採用事情を改善しています。繰り返しますが、皆さんがほぼ100%知っているメーカーでも特にエンジニアの採用では内定辞退率が非常に高く困っているところが多くあります。

採用活動にも工夫が必要

-面接における企業側の問題点とはどのようなものがありますか?

昭和から企業人をしてきた部長クラスが面接をすると、転職者に対して、「65歳までうちの会社で働く気は本当にあるのか?」という質問が出てくるわけです。今の時代、定年まで同じ会社に勤めあげる状態でもないですし、会社側の都合で働けなくなる場合もあるのでずっと辞めずに最後まで働くか?という質問はナンセンスです。

他にも、自分で一生懸命調べたうえで、仕事のやり方について質問しても、自分で調べろと返答する部長もいます。機密の関係で調べるには限界があるので、面接で質問をしているのに、自分で調べろと言われたら候補者はげんなりしてしまいます。現在は求職者が有利な状況ですので、面接官が高圧的だと、すぐに候補者から見切りをつけられます。

自動車業界ではソフトウェア開発が最盛期

-エンジニア採用において日本の大手メーカーはどのような工夫をしているのでしょうか。
先ほど述べた採用プロセスの簡素化はもちろんですが、採用するための面接場所、勤務場所を移転しています。私が詳しい自動車業界の話になりますが、現在だとソフトウェアエンジニアが圧倒的に求められています。自動車なんかだと自動運転がトレンドになっているため、自動車のソフトウェアエンジニアの需要はかなり高いです。

C言語ができるソフトウェアエンジニアの採用は激戦なので、東京で採用活動をしないと各社採用が厳しいので、面接場所と勤務地を東京にシフトしています。

-転職フィーはどれくらいでしょうか。一般的な転職活動は30%~35%ですが。
ソフトウェアエンジニアは外資系企業だと100%払って給料も高い給料を出してきます。また、年齢も20代の若手から50歳くらいまでエンジニアだと採用されます。日本の自動車関連の事業をしている、とある会社は1000人単位でソフトウェアエンジニアを増やそうとしています。
若手だと自動車業界の経験がなくてもC言語ができれば自動車業界のソフトウェアエンジニアとして採用される状況になっています。

-正直ソフトウェアエンジニアが自動車業界でそこまで求められているイメージがなかったです。
自動車業界は、機械設計や回路設計が花形で、ソフトウェアエンジニアは求められていませんでした。そもそも自動車をソフトウェアで制御しようという発想自体がなかったわけですから。しかし、時代が変わり、自動運転をはじめソフトウェア最盛期となっている現在では立場が逆転しています。EV(電気自動車)も出てきていますから、自動車の動力構造自体も変わっています。

アイシン精機のように2兆円クラスの売上があっても機械設計がメインの会社だと、EVにすべてシフトした場合、消える部品を作っている会社になるわけです。それだけ、EVや自動運転といったトレンドの影響は大きく、自分の仕事がなくなる可能性がある人は一刻も早く転職活動をした方がいいでしょう。

f:id:kiyyo:20180706162146j:plain

ソフトウェアエンジニアの獲得競争が激化している

-求人の出し方について企業側はどのように工夫しているのでしょうか。
組み込みエンジニアと呼ばれるソフトウェアエンジニアの人は先ほど述べたように、会社でも端にいる存在で、花形ではなかったのですが、自動車業界の産業構造の変化でスターダムになりました。しかし、採用担当側がそのことを理解しておらず、求人を出したらどうせ来るだろうというスタンスでいます。

しかし、自動車メーカーが採用したいエンジニアの採用上の競合は、ビジネス上の競合である自動車メーカーだけではなくなってきています。

組み込みエンジニアの採用競合にマッキンゼーやソフトバンク、アマゾンが登場してきました。マッキンゼーは地頭を評価し、自動車業界をはじめとしたコンサルタントとして活躍させたくて採用をする、ソフトバンクはロボットをはじめとするエンジニアとして採用をする、アマゾンは自動運転の仕組みを作るためのエンジニアとして、それぞれ採用する動きが出てきたため、欲しい人材要件が被ってしまうのです。

ですが、給与の問題で日本の自動車メーカーは採用で負けてしまいます。トヨタや日産、ホンダが採用したい組み込みエンジニアを採用しようとするときに、会社の給与テーブルの限界から800万円しか出せないとします。一方、アマゾンやソフトバンクは2,000万円級のオファーを出して採用にきているのです。金銭面だけ見たらどうやっても勝てません。

求人では働く環境をアピールすべき

-求人の出し方に、工夫のしようがなさそうですね。
必ずしもそうではなく、自動車メーカーはハードとソフトどちらも持っていて、やりたいことを実現するうえでは適している環境だと伝えたらエンジニアが動いてくれることもあります。

アマゾンはまだまだ自動車では後発なので、業界トップクラスの自動車メーカーは年収で負けていても、環境を上手く打ち出せば採用で勝つことはできます。

採用活動をしていて感じるのは、IT業界と製造業の境目がなくなり、各業界が事業対象の幅を広げているので、人材獲得の競争がますます激しくなっています。

-このままだと日本の砦とも言われている自動車メーカーは負けてしまう可能性が高いですね。
そう思います。このままだと未来はありません。アマゾンやソフトバンクといった外資系企業や日本の新興ベンチャーが高年収を提示するうえに、転職エージェントの紹介フィーを100%にしています。

日本のメーカーは給料も低いのに転職紹介フィーもせいぜい50%くらいしか出しません。この状況だと人材紹介会社も、アマゾン等に紹介したほうが儲かるのでアマゾンにどんどん優秀な人を紹介して紹介料を稼いでいます。

ようやくグローバル化を推し進めている日産自動車が80%程度まで紹介フィーを出すものの、他社はまだまだです。採用制度だけでなく、人事設計制度自体を変えて給与体系、年功序列の見直しをしないといけません。実際、人材紹介会社側で法人営業をしていますが、RPO(Recruitment Process Outsourcing)コンサルティング=採用代行の役割だけでなく、人事組織コンサルティングをしているつもりで提案をしています。

自動車業界ではシステムサプライヤーに将来性がある

-おススメの企業を教えてください。
ソニーですね。スイカといったICセンサーの特許を持っていて、今後も需要があるので転職するには面白い企業ですね。

-ソニーはみんな知っている企業ですが、もっとマイナーなところでおすすめはありますか。
そうですね。エンジニアの話になりますが、伸び盛りのシステムサプライヤー(デンソー、コンチネンタル)が良い企業です。自動運転系の特許も数多く持っていますし、日産セレナのブレーキなどもこのようなシステムサプライヤーが作っています。

また、デバイスメーカー(アナログデバイセズ、エヌビディアなどの)ともモジュール化してセットでOEMに提供など、キーデバイスを数多く作っているので世界の中でもシェアを取っていくことが可能です。

各社が将来のソフトウェアに投資しすぎて2,3年後に出す自動車のシステムが間に合っておらず、そうした際に高い技術力をもつシステムサプライヤーのような会社は大きな需要があります。

-自動車業界について詳しく教えていただきありがとうございました。

編集後記:

今回は自動車業界について知見のある人材エージェントに話を伺った。自動車業界は日本の中でも重要な産業であり、市場規模も大きい。

転職市場も年収アップのチャンスにあふれているので、転職サイトに登録して機会をうかがってほしい。ビズリーチにはまず絶対に登録しておこう。

そして、自動車業界出身のコンサルタントも多い。コンサルタントに転身したい方は、ビズリーチとあわせて、アクシスコンサルティングを利用しよう。

ハイキャリア求人を探している場合であればJACリクルートメントもおすすめしたい。他にも全く違う畑で自動車業界の知識をベンチャー企業で活かしたいという人であれば、GEEKLYにも登録しておこう。リクルートエージェントも案件の種類が多いため、幅広い業界を見たい場合におすすめしたい。今日は以上だ。

2019年12月の転職トレンド

なにかと慌ただしい師走、転職活動を始めるのは腰が重いかもしれない。しかし、新年度に向けて転職したいなら、必ず12月に転職活動をスタートさせてほしい。

一年で最も採用活動が活発なのは1月から2月だ。一年で最も入社が多い4月に向けて、2ヶ月前内定が一般的だからだ。 しかしこれは管理職ではない一般社員の求人に限った話で、重要ポジションの求人は12〜1月に募集終了する。なぜなら、新年度に向けて事業計画を立てたり遂行したりする経営幹部や管理職は、一般社員よりも早いタイミングで採用する必要があるからだ。

また、一般社員の求人も、1月より早めに募集開始する企業はあるので、いち早く応募しておけば有利だ。人気企業の魅力あるポジションには、驚くほどあっという間に応募が殺到し、良い人材がいれば募集がクローズしてしまい後の祭りだ。 転職活動といっても、ただネットサーフィンをしているだけではまずい。転職エージェントしか持っていない、ネット非公開の有料求人が多いので、転職エージェントになるべく早く登録し、希望にあう求人情報の提供を受けた方が良い。

ちなみに転職エージェントも、担当できる求職者数には限りがある。転職活動が盛んな1月から2月は、求職者に優先順位をつけて対応しているのが実情だ。優秀なエージェントに、しっかりとサポートして欲しいなら、早めに登録だけでも済ませておこう。

→ビズリーチなどの転職サイトにまずは登録し、経験豊富なプロのエージェントに、非公開ポジションの情報を、直接ヒアリングすることをおすすめする。12月のトレンドは、以上だ。

筆者のお勧め転職サービス

1位 ビズリーチ キャリアアップを考えるのであれば、まずは必ず登録すべき転職サイトだ。大手企業の特別求人やベンチャー企業の幹部求人などが多く掲載されており、求人の質が段違いに良い。また、多くのヘッドハンターやキャリアコンサルタントが登録しており、スカウトメッセージが届くこともある。自分の市場価値を知ることに繋がるので、直近での転職を検討していない方も登録すると良い。

2位 JACリクルートメント ハイキャリアに特化した転職エージェントであり、年収アップに繋がる転職支援に定評がある。年収が500万円以上の方や、その給与帯を目指したい方は登録すべきだろう。特に、年収1000万円前後の転職では日本有数の実績を有している。まずは、レジュメを登録し、キャリアコンサルタントとの面談に参加してほしい。
また、JACリクルートメントに相談した人へのインタビューは→こちら

3位 リクルートエージェント 日本一の実績を有する転職エージェントである。案件数が多いので、市場の情報を網羅的に収集することができる。また、キャリアコンサルタントへの教育が行き届いているため、どのキャリアコンサルタントが担当になっても、安定して質の高い支援を受けることができる。特に、若手でこれから実績を積んでキャリアアップしたい方は、必ずキャリアコンサルタントとの面談に参加すべきだ。

4位 アクシスコンサルティング お勧め度は4位としたが、コンサルティングファームに転職したい方には、一番お勧めしている転職エージェントだ。コンサルティングファームへの転職では日本有数の実績を有しており、主要なファームのほとんどと取引している。特に、事業会社に在籍するコンサル未経験者の支援には定評がある。どのファームでどのような選考が行われ、どうすれば合格できるかを熟知しているので、コンサルティングファームへの転職を視野に入れている方は面談に参加すると良いだろう。

5位 パソナキャリア 日本有数のHR企業であるパソナの転職支援サービスだ。丁寧な候補者支援に強みを有しており、候補者の性格や気持ちを理解しながら、ホスピタリティの高い転職支援を行ってくれることだろう。案件数はリクルートエージェントよりやや少ないが、仕事が丁寧で、自分に合った求人を丁寧に紹介してもらうことができる。他のエージェントの面談に参加し、違和感を感じた方には特にお勧めできるエージェントだ。