インタビュー

日系金融で働く若手は、時間切れになる前に転職せよ 大手金融機関から投資銀行への転職者インタビュー(後編)

都内の大学から大手金融機関に入行し、2年目で投資銀行の投資銀行部門(IBD)へ転職した方へのインタビューの続編だ。
後編では、投資銀行部門(IBD)の実際の選考内容や、転職を検討している銀行・日系大手金融で働く若手へのアドバイスについて伺った。

特に、将来的に転職を検討している銀行員をはじめ大手金融機関の若手の方には、ぜひ一読いただきたい。

銀行員の転職のためのファーストチョイスは間違いなくビズリーチだ。経歴や実績にもよるだろうが、多くのスカウトメッセージが送られてきて、キャリアチェンジのイメージが湧くはずだ。

そのイメージを具体化したければ、転職エージェントに相談してみよう。ハイキャリアの方であればJACリクルートメント、自分のキャリアに自信が無い方であればリクルートエージェントに相談してほしい。

ただし、コンサルへの転職を考える方はキャリアインキュベーション、ベンチャーへの転職を考える方はGEEKLYがおすすめだ。

エンジニアであればForkwell Scoutに相談しよう。金融業界のエンジニアは、基礎技術がしっかりしているので、マーケットで高く評価される場合が多い。

まずはビズリーチに必ず登録した上で、好みの転職エージェントを併用すると良い。

新卒1年目で、投資銀行部門(IBD)への転職を決意

-いつから具体的な転職のアクションを始めましたか?
色々調べるうちに、1年目の冬には、専門職でスキルが身に付きそうな投資銀行部門(IBD)に転職したいと思い始めました。
しかし、新卒1年目に辞めると危険だ、という話を小耳に挟んで、私は年目になるまで転職活動を我慢していました。しかも、転職サイトを見ていても、IBDの求人案件がまったく出てこない。

しばらく待ってみようと思い、応募できるタイミングに向けて、転職に向けた勉強や情報収集に熱中しました。

あとから複数の転職エージェントに聞いたのですが、ごく一部のプロフェッショナルファームを除いて、やはり1年未満での転職活動は、辛抱がないと見なされるようです。書類選考で落ちてしまうことが多いと聞いたので、正解だったと思います。

一方で、新卒1年目が終わってすぐに動き出したことは、大正解だったようです。転職エージェントから、「あと数年遅かったら、IBDへの転職は無理だったかもしれない。IBD以外でも、かなり転職活動が難航しただろう」と言われました。

日系金融機関で、なんの専門スキルもないまま第二新卒の時期が終わるまで過ごしてしまうと、残念ですが転職市場での価値が下がってしまうんですね。

 

IBDへの転職に向け、資格取得とエージェント登録

-応募前は、具体的にどんな準備をしたんでしょうか?
勉強については、資格取得と、英会話です。
資格取得は、FP(ファイナンシャルプランナー)や簿記などは無意味だと思いました。難しい内容ではないので、専門的な金融の業務においてたいした役にも立たないだろうし、合格の難易度が低く有資格者が多いので、他の受験者に対する優位性もほぼアピールできないからです。

その代わりに、証券アナリスト資格を受験しました。実際に投資銀行で勤務する際に活用できますし、一定の難易度がある試験なので、金融機関に勤務している人でも有資格者はそんなに多くない。そう思い、取得を決めました。勉強の甲斐あって、試験の準備期間は短かったですが、無事に合格することができました。

英会話は、ベルリッツに通学しました。転職活動において、英語力の高さは、どの資格よりも有効だと感じるからです。実際に、転職時の内定先にも、証券アナリスト資格と英語力はかなり評価されていたようです。

情報収集については、IBDに関してつぶやいているTwitterアカウントや、ブログを読みあさっていました。このブログも愛読していました(笑)

 

-1年目に辞めなかったこと、転職に役立つ資格の取捨選択、両方ともとてもセンスがいいですね!転職活動は、内定先のみですか?
2社受験しました。転職を始めた時には、何から活動すればいいかわからなかったので、ムービン、コトラ、エリートネットワークに登録し、エージェントに相談しに行きました。

そのうち1社の担当エージェントからは、「投資銀行への転職は、いくら上位大卒でも、社会人経験1年、投資銀行業務未経験では厳しいかもしれない」と言われました。しかし、応募したところスムーズに進んだので、他はほぼ受けていません。

応募したかったIBDがもう1社あったのですが、「社会人経験2年以上(監査法人、商社、コンサル)」と募集要項に書いてある会社は、さすがに応募できませんでした…。

筆者注:

この方は、情報収集の感度が良いし、取得している資格の内容も良い。証券アナリストは投資銀行で高く評価されるし、英会話はビジネスマンの必須スキルだと言って良いだろう。

ただし、転職活動を行うために、いたずらに資格取得に走る方がいるが、それは勧めない。例えば、米国CPAや中小企業診断士、ファイナンシャルプランナー(FP)などは、一般的には評価されにくい資格だ。

どのような情報を取得し、どのような資格を取るべきかは、転職エージェントからアドバイスをもらうと良い。ビズリーチにはそのような情報に詳しいエージェントが多い。

さらに情報が必要な方は、JACリクルートメントリクルートエージェントのキャリアコンサルタントに相談すると、より網羅的に情報を取得できるだろう。

 

IBD第二新卒の選考・面談の内容とは

-IBDの選考はどんな内容でしたか?
人事、現場の社員、役員レベルなど、かなり多くの面接をこなしました。
一次面談時点では、IBDのどの部門かはわからない、と言われたのですが、一次面接が終わった段階で「この部署で選考を進めてもいいか」と、具体的な配属先を教えてもらえました。

私はプロダクト部門のクオンツを第一希望にしていたのですが、プロダクト部門の別の部署を提示されました。しかし、カバレッジ・プロダクトと、大きく分けると自分が志望していた方ではあったので、まあいいか、わがままを言える立場ではないな、と。

投資銀行を志望した動機や、大学で勉強していた内容、大手金融機関で従事していた業務などの過去の経歴については詳しく聞かれました。

あと、最近行われたM&Aで気になるものはあったか、と聞かれ、具体的なディスカッションをしました。これはIBDの選考ではよく問われると聞いていたので、かなり準備をして挑むことができました。今考えると、大した意見は言えなかったですが、精一杯対策をしていくことは非常に重要だと思います。

バックグラウンドチェックもあったようです。何をされたのかよくわかりませんでしたが、なんとなく怖かったです(笑)。リファレンスチェックはありませんでした。

 

-面接の対策はどのようにしましたか?
「IBD業界大研究」という本を買ったり、IBDの知人に質問したり、ネットサーフィンしたり、IBDについてつぶやいているtwitterアカウントを読みあさったりと、必死で情報を集めました。

-自力で対策し、内定獲得はすごいですね…!退職交渉、引き留めはありましたか?
一応ありました。しかし、巷で聞くほどハードではありませんでした。多分、辞めたいオーラがもともと出ていたんだと思います(笑)。

 

筆者注:

この方は、能力が高いので、ある程度自力で情報を集めて転職を成功させることができた。ただ、これほどまでに、自分で情報を集めたり勉強したりする自信が無い方も多いのではないか。

基本的には、転職エージェントをフル活用することをオススメしている。ビズリーチに登録して転職エージェントに会えば、転職を成功させるための情報を仕入れることができる。また、より網羅的に情報を収集したければ、ハイキャリアに強いJACリクルートメントリクルートエージェントのキャリアコンサルタントに相談すると、より網羅的に情報を取得できるだろう。

 

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入社後に驚いた、IBDの労働環境の実態

-入社してみて、入社前のイメージとのギャップはありますか?
一番のギャップは、「思ったほど厳しい環境ではないな」ということでした。
まずは労働時間です。覚悟したほど忙しくありませんでした。日系の証券会社と比べても、忙しくないと思います。最近はIBDでも、労働時間の規制が厳しいんですね。

朝は7時に出社しますが、夜は21時にはだいたいみんな帰っています。あまりにも労働時間が短いので、拍子抜けしたというか、これで短期間でちゃんと成長できるのかな、と逆に不安になりますね。

次は、要求される仕事の水準。業務で成果を出さないとすぐにレイオフされるという先入観があったのですが、聞く限り、首になっている人はいなさそうです。リテールからIBDに異動になっている人はかなり苦労している様子ですが、それでもレイオフのプレッシャーはなさそうです。

 

-業務にはすぐ慣れましたか?
そうですね、一番苦労したのは、PowerPointとExcelでした…。前職の大手金融機関では、PowerPointを触ったこともありませんでした。Excelは触っていましたが、ショートカットはコピーとペーストしか知らないような、ひどい状態。IBDでは求められるスピード感がまったく違い、戸惑いました。

入社前、解説本を何冊か買って独学で学び、入社後は、アソシエイトからフィードバックを受けながら適応していきました。Excelショートカット早見表は、しばらくデスクに置いていましたよ。

日系金融機関の仕事は「暗記ゲーム」

-転職後の一番の学びはなんでしょう?
人のレベルが、前職の大手金融機関とまったく違うことです。まず、業務レベル。前職で私が所属していた部署は、東京大学、京大、一橋卒の行員ばかり。優秀な人が多い部署だったはずです。

それなのに、先輩が作ったマニュアルを暗記して、誰かが作ってくれたExcelをそのまま使うだけ。本質的なことは考えない。ブルームバーグもろくに使えないような同僚もいました。仕事が暗記ゲームになっていましたね。自分で扱っている金融商品の内容を、正しく理解している人なんて、いなかったのではないでしょうか?

一方で今の職場では、当たり前ですがみんなブルームバーグが使えますし(笑)、各人が本質的に業務内容を理解して、Excelを組んだりと業務にあたっています。

また、視座の高さもまったく違います。IBDの人は視座が高く、自分の会社や業務以外のことに対しても、常に情報のアンテナを立てているような印象です。一方、前職の大手金融機関の人は視野が狭く、自分の周りの世界しか見ていないように感じました。

例えば、IBDの人はほぼ全員LinkedInを利用していますが、前職の大手金融機関の同期は誰も登録していませんでした。彼らは、外の世界に、まったく興味がないのではないでしょうか。

大学卒業時のスキルセットは変わらないはずなのに、選んだ進路でこんなに違ってしまうのか、と衝撃でしたね。

銀行員の転職タイムリミットはすぐ目の前

-前職の大手金融機関時代の同期で、転職活動をしている人はいますか?
「このまま今の職場にずっといるのはまずいんじゃないか」と、よく相談を受けます。特に、銀行員の方で相談してくれる人に対しては、「今後、市場がシュリンクするし、銀行員は転職市場での人材価値が低いので、なるべく早く転職した方がいい」と真剣にアドバイスするようにはしています。

でも、アドバイスをしても、後日アクションを起こしている人はいませんね。特に、地方の支店に配属された同期は、危機感が薄く、一度転職を検討し始めても動き出さない傾向が強いです。

理由は、東京へのアクセスの悪さと、地方の居心地の良さだと思います。転職エージェントに会ったり、採用面談に行ったりするとき、いちいち東京に出なくてはいけないのは面倒ですよね。

また、転職している人が周りにいないので、情報を得にくく、危機感がない。たとえば、「宇都宮は家賃8万円で、広くて駅近に住めて最高」「地方だと、大手金融機関に勤めていると言うとエリート扱いで、東京にいるよりモテるから楽しい」などと、地方支店ならではの居心地の良さに甘んじている部分もあると思います。

もちろん、定年まで金融機関に勤めるならいいと思うのですが、いずれ転職を検討しているなら、そうやって20代を過ごして終わってしまうのはかなりまずいですよね。

都内に勤務する20代の銀行員はラッキー

-若手銀行員の中には、「いつ転職したらいいか」「自分の職歴は転職市場で通用するのか」など悩んで、なかなか転職活動を始められない人が多いです。メッセージをお願いします。
銀行や信託銀行をはじめ、日系の大手金融機関に入行した新卒の人がもし転職したいなら、2年目以降の、なるべく早い時期に転職することを心からお勧めします。

新卒1年目に辞めるのは、辛抱がないと見なされて、多くの会社では書類選考で落ちてしまいます。一方で、大手金融機関でなんの専門スキルもないまま第二新卒の時期がすぎると、残念ですが転職市場での価値が下がってしまいます。

振り出しが本店や、都内の支店だった人は、ラッキーだと思ってください。地方支店に配属されたら、情報もなかなか入ってこないですし、仕事の合間にわざわざ上京して転職エージェントとの面談や選考に行くのは大変です。

次に地方の支店に転勤になる前に、転職をクロージングさせるべきです。転勤になったら、転職はジ・エンドだと思っていいでしょう。私も、地方転勤の可能性がある金融機関に在籍していましたが、もしくは第二新卒のタイミングを逃してから転職活動を始めたら、かなり結果は厳しかったと思います。

IBDに転職し、正直給料が倍になりました。業務の難易度や忙しさはそこまで変わりません。僕という人間もほとんど変わっていません。少し意識が高くなり、PowerPointとExcelが早くなっただけ。

自分が働く環境を変える努力を短期間するだけで、世界がまったく変わります。いま勤めている金融機関に定年までいるのが難しい、とすでに感じているなら、ぜひ一歩を踏み出してください。

 

筆者注:

どうしても、企業という狭い世界の中にいると、自分の経験している仕事や自分の持っている情報がすべてだと思いがちだ。

しかし、あなたの当たり前は、社会の当たり前ではないかもしれない。その感覚のズレが大きくなりすぎると、もはや転職はできないし、ジ・エンドだ。今すぐ転職を考えている方は勿論、そうではない方も、定期的に転職エージェントに接触して、外の世界の情報を仕入れてほしい。

繰り返しにはなるが、ビズリーチに登録して転職エージェントに会えば、多くの情報を仕入れることができる。

また、より網羅的に情報を収集したければ、ハイキャリアに強いJACリクルートメントや、日本一の転職支援実績を誇るリクルートエージェントに相談すると良い。

まずはビズリーチに登録して、必要に応じて活用していただきたい。

 

編集後記

銀行など日系金融機関で勤務している若手の方には、衝撃的だったかもしれない。しかし、後輩たちにはキャリア設計のスタートダッシュを見誤って欲しくない、という強烈なアドバイスを受け止め、自分のキャリアを長期的に考えるきっかけにしてほしい。

「第二新卒の時期が過ぎた銀行員の転職がハードモード」という言葉を確かめるためにも、まずはビズリーチに登録し、転職エージェントと一度面談し、自分の市場価値や転職タイミングを見極めてみてはどうだろう。

銀行員の転職のためのファーストチョイスは間違いなくビズリーチだ。

経歴や実績にもよるだろうが、多くのスカウトメッセージが送られてきて、キャリアチェンジのイメージが湧くはずだ。そのイメージを具体化したければ、転職エージェントに相談してみよう。

ハイキャリアの方であればJACリクルートメント、自分のキャリアに自信が無い方であればリクルートエージェントに相談してほしい。

ただし、コンサルへの転職を考える方はキャリアインキュベーション、ベンチャーへの転職を考える方はGEEKLYがおすすめだ。

エンジニアの方は、Forkwell Scoutに相談しよう。金融業界のエンジニアは、基礎技術がしっかりしているので、マーケットで高く評価される場合が多い。

まずはビズリーチに必ず登録した上で、好みの転職エージェントを併用すると良い。

明るい未来がくることを信じている。今日は以上だ。

2019年9月の転職トレンド

2019年9月時点では、各社の採用意欲はおしなべて旺盛であるものの、ポジションの募集が減少する会社と、引き続き多くの社員を募集している会社に二極化している。景況感の悪化リスクが高まる中で、人材業やコンサルティング業など、労働集約的で「なくても困らない」サービスを提供している産業では、採用意欲が減退している。

また、大企業は採用を手控える時期に来ていることを、覚えておいてほしい。というのも、大規模な会社は採用人数が多く、個別研修を実施するのが難しいため、10月1日や4月1日など、期の切れ目に新入社員の入社を集中させたいと考える。今から内定を出したとしても、多くの候補者が10月1日入社に間に合わないため、一旦ポジションをクローズしてしまうのである。逆に言えば、今のタイミングでもポジションをオープンしている大企業は、よっぽど人数が足りずに困っている可能性が高いので、入社難易度が通常時よりも低くなっている場合が多い。

ビズリーチなどのサイトで、どのような会社がないかを探り、是非、積極的にチャレンジしていただきたい。
9月のトレンドは、以上だ。

筆者のお勧め転職サービス

1位 ビズリーチ キャリアアップを考えるのであれば、まずは必ず登録すべき転職サイトだ。大手企業の特別求人やベンチャー企業の幹部求人などが多く掲載されており、求人の質が段違いに良い。また、多くのヘッドハンターやキャリアコンサルタントが登録しており、スカウトメッセージが届くこともある。自分の市場価値を知ることに繋がるので、直近での転職を検討していない方も登録すると良い。

2位 JACリクルートメント ハイキャリアに特化した転職エージェントであり、年収アップに繋がる転職支援に定評がある。年収が500万円以上の方や、その給与帯を目指したい方は登録すべきだろう。特に、年収1000万円前後の転職では日本有数の実績を有している。まずは、レジュメを登録し、キャリアコンサルタントとの面談に参加してほしい。
また、JACリクルートメントに相談した人へのインタビューは→こちら

3位 リクルートエージェント 日本一の実績を有する転職エージェントである。案件数が多いので、市場の情報を網羅的に収集することができる。また、キャリアコンサルタントへの教育が行き届いているため、どのキャリアコンサルタントが担当になっても、安定して質の高い支援を受けることができる。特に、若手でこれから実績を積んでキャリアアップしたい方は、必ずキャリアコンサルタントとの面談に参加すべきだ。

4位 アクシスコンサルティング お勧め度は4位としたが、コンサルティングファームに転職したい方には、一番お勧めしている転職エージェントだ。コンサルティングファームへの転職では日本有数の実績を有しており、主要なファームのほとんどと取引している。特に、事業会社に在籍するコンサル未経験者の支援には定評がある。どのファームでどのような選考が行われ、どうすれば合格できるかを熟知しているので、コンサルティングファームへの転職を視野に入れている方は面談に参加すると良いだろう。

5位 パソナキャリア 日本有数のHR企業であるパソナの転職支援サービスだ。丁寧な候補者支援に強みを有しており、候補者の性格や気持ちを理解しながら、ホスピタリティの高い転職支援を行ってくれることだろう。案件数はリクルートエージェントよりやや少ないが、仕事が丁寧で、自分に合った求人を丁寧に紹介してもらうことができる。他のエージェントの面談に参加し、違和感を感じた方には特にお勧めできるエージェントだ。