キャリア相談室

大企業病は大手でしかかからないと思っていないか

「ベンチャーに行けば、新しい挑戦をすることができて保守的な社風から逃れられるだろう」などと甘い考えを持っていないだろうか。

保守的、社内政治、セクショナリズム、事なかれ主義、縦割り主義など、いわゆる古き良き日系企業で起こりがちな問題を、大企業病と呼ぶ。こうした風潮を嫌がり、ベンチャー企業を選ぶ若者も多いが、ベンチャーだから避けられるという考え方は甘い。

今回のブログでは、ベンチャー企業に入ったものの、大企業病にかかってしまう危険性を伝えたい。「ベンチャー=風通しが良い」という妄想は捨てて、今一度、自分の働き方を見直してみてほしい。

もし、今の環境や自分自身が大企業病にかかっていると感じた場合は、すぐに転職することをおすすめする。環境を変えない限り、一度染まった考え方はなかなか抜けない。

今の企業とはまったく環境が違う会社も、転職サイトに登録すれば簡単に探すことができる。まず登録すべきなのはビズリーチだ。向こうからスカウトがやってくるし、限定の非公開求人を閲覧することもできる。

今すぐに環境を変えられるチャンスを逃さないように気を付けてほしい。

大企業病とはどんな状態か

大企業病とは、企業全体だけでなく、社員個人の状態を指す言葉でもある。

企業全体を指す場合

企業全体を指すときは、保守的、官僚主義、セクショナリズム、事なかれ主義、縦割り主義、上への忖度などの非効率的な組織体制を意味する。何か明文化されているわけではなく、社内で暗黙の了解として浸透しているのが特徴だ。

主に古き良き日系企業に多く、対局の社風としてベンチャー企業や外資系企業が頻繁に上げられる。就活生時代は、そういった古い企業体質に違和感を覚え、ベンチャー・外資を入社先に選んだ学生も多いだろう。

社員個人を指す場合

大企業病というと、大企業か、大企業に属する社員がかかる症状だと思いがちだが、実際は企業の規模にかかわらず当てはまる。

具体的には以下の症状だ。

現状維持ばかりで、トライしない

会社の中で安定した支柱となる安定事業を任せられると、現状の収益基盤を維持することが評価になることが多い。あくまでも現状の体制を維持することが求められ、チャレンジングな取り組みは良しとされない。

この場合、仮に入社時にチャレンジングなことをしたいと考えていたとしても、新しいことを挑戦することが会社から望まれておらず、現状維持を強いられてしまう危険性がある。

目先の業務に忙殺され、目的意識を失ってしまう

入社当初は、自らのキャリア観をしっかり持っていたとしても、実際に業務量が多くなっていくと、目先の目標を達成することで精一杯になってしまう。

本来であれば、新しいことをインプットしたり、新しい取り組みにチャレンジしたりしなければいけないと感じているのにもかかわらず、新しいことに取り組むキャパシティを失ってしまうだろう。

その結果、今までの体制や手段をキープしながら、安全圏内に留まってしまうケースが増える。

上司の顔色を過剰に気にする

100名以下の従業員数だと、経営陣とメンバーとの距離が近く、自然に一体感を持って仕事に臨める。人数が少ないことで、部署や職種といった棲み分けが少なく、横断的に業務を持てるのはこの規模のメリットであろう。

しかし、次第に会社の規模が大きくなってくると、各部署や職種ごとにマネージャーがつき、部署間の垣根が生まれ始める。特にまだ文化が統一されていない企業だと、マネージャーや責任者ごとに価値観が異なるため、派閥が顕在化しがちである。

特に、当初広く携わっていた業務が狭まるにつれて、人間関係が狭まっていくのが一番の問題点だ。注意が自分の所属する部署の上司に向くようになり、顔色を伺うことも増える。

企業の規模拡大に伴って派閥や政治が顕在化するのは一定、仕方ないことだが、過敏なまでにそこにリソースを割かれるようなら、会社の存在を見直した方が良い。

このブログを読んでいるあなたにも、もしかしたら思い当たる節があるのではないだろうか。ベンチャー企業や外資企業は、日系と異なり一人で関われる仕事の領域が広く、その分、激務になりがちだ。

そのため、目の前の業務に忙殺されて、経営目線といった視座の高さや入社当時の目標を見失ってしまうケースが多い。

決して、【大企業病=大企業の人間がかかる病気】ではないのだ。

大企業病にかかるきっかけ

大企業病にかかる人は、以下のタイミングであることが多い印象だ。

会社が急成長するフェーズ

急成長ベンチャーの特徴として、
①急激に人が増えるフェーズで同時に人が辞めること
②部署間の交流が減ること
があげらえる。

①の「急激に人が増えるフェーズで同時に人が辞めること」に直面すると、社内体制が一気に変わり、会社が大きくなるにつれて一人当たりの業務範囲が広がる。その変化に適応できない人が抜けていくことも増える。

社員の入れ替わりがあまりに激しいと、「一人当たりに時間を割いてもまたやめてしまうのではないか・・」という危機感を持ってしまい、マネジメント層もフィードバックがおざなりになりがちだ。

これまで目先の業務に忙殺されかけていても、マネジメント層からのサポートで視座高く働けていた人の場合、このフェーズで停滞してしまう傾向にある。

さらには、自分自身が新入社員に研修を行う機会が増えるため、本人が成長していなくとも教える側の立場に移ることが多い。自分自身は成長していないにもかかわらず、立場だけが上がっていくことで勘違いがうまれ、成長の機会を逃してしまうのだ。

上司からの研修機会が減ったときは、改めて自分の現状を見直してみよう。

また、会社の急成長によって、部署や事業部別にフロアが分かれてしまい、②部署間の交流が減ることも上げられる。ワンフロアに全部署がいたことで、各部署の取り組みや温度感を把握できていたのに、働く環境が別々になることで自然と関わりが減ってしまう。

こうした物理的に距離が離れることで、仕事上の交流が減るのはあるあるだ。

今でこそslackをはじめとしたチャットツールが普及しているものの、直接的な関わりが減ると、どうしても関係性を維持することは難しい。

幅広く社内を見渡して仕事ができていた分、物理的に環境が変わって知らぬ間に視野が狭くなってしまうことは十二分にあり得る。結果、自分自身の目先の目的にしか向き合えなくなることに要注意だ。

ベンチャー企業のイメージと現実のギャップが大きい時

【ベンチャー企業=風通しが良くチャレンジング】
という印象をもって入社した人ほど、現実との乖離に挫折してしまうことが多い。

ベンチャー企業といえど、言い方を変えれば単なる中小企業である。経営者が保守的であれば、自然と社内も保守的となる。しかし、保守的を押し出したベンチャー企業だと、新卒の採用は難しい。

保守的であれば大企業を選ぶのが普通のセオリーであるからだ。よって多くの企業が、実態を偽り、世間が想像するベンチャー像を語ってしまうのである。

その結果、入社して初めて、「これがベンチャーなのか」と現実に直面し、そのまま保守的な社風に染まってしまうことが多い。大企業以上に社内の人数も少なく、その中での価値観に疑問を呈するのはなかなかハードルが高い。

保守的なベンチャーで勤めることほど、大企業病にかかりやすい状況はないのかもしれない。

実際、企業の実態を見極めることはかなり難しいが、複数の企業を比較して見ていけば見る目も研ぎ澄まされていくだろう。今の時代、ビズリーチに登録すれば、向こうからスカウトがやってくる。

スカウトされた企業であれば、話を聞ききやすいはずだ。ぜひ登録して、企業を見る目を養ってほしい。

大企業病から抜け出すには

一度、大企業病にかかった場合、今の環境を変えることが一番の解決策となる。自分の立場次第ではあるが、以下の3点を検討するとよいだろう。

部署移動する

一概に管理職といっても、人によってマネジメント方針は大きく異なる。放任タイプの管理職もいれば、中には手厚いフォローをしてくれる管理職もいる。

今の自分を打開するためにも、そういったマネジメント層の元へ異動することが一つの手段だ。同じ会社でも、部署が違えばほぼ転職と同義・・といったケースも大いにありえる。

その際は、ぜひ社内転職を試むことをおすすめしたい。

人事制度を見直す

もし仮に人事の立場や、人事に意見を言いやすいポジションにいるのであれば、採用要件から見直すことをおすすめしたい。

ミドルベンチャーフェーズともなると、ある程度、労働集約的な業務を淡々とこなしてくれる保守的な人を採用しがちである。

そういった人も十分必要だが、社内で保守的な人の割合が増えてしまうことは推奨できない。同じだけチャレンジングな層も採用が必要である。

採用要件を改めて見直し、社内に雰囲気の異なる人が入ってくるだけで大いに雰囲気は変わる。採用を見直すことで、会社全体の雰囲気から変えていくことも一つの手立てだ。

転職する

社内転職や人事制度のブラッシュアップが難しい場合、転職することをおすすめする。

ベンチャー界隈は、交流会も多く、ざっくばらんな他社の状況を聞くことができるはずだ。新卒時代よりも、よりリアルな視点から転職活動することができる。

とはいえ、なかなか周りにベンチャー勤めの知り合いが多くない時は、転職エージェントに頼ることをおすすめする。業界を絞っていないのであれば、リクルートエージェント。コンサルに限って転職活動をするのはあればアクシスコンサルティングがおすすめだ。

総括

就活生時代に、どれだけ会社に入る目的が明確にあったとしても、目先の業務に忙殺されたり、会社のフェーズ・環境が変わることで見失ってしまうケースが大いにあり得る。

たとえ、大企業病にかかった企業/社員に対して不快感をもっていたとしても、自分の会社や自分自身がかかってしまった場合は気づかないことが多い。

このブログを見た人は、一度自分が大企業病に陥っていないか確認してほしい。環境を変えることで、大企業病から抜け出せるかもしれない。

編集後記

いかがだったろうか。ベンチャー企業に入社したからと言って、自分がチャレンジングにいられるとは限らない。自分も会社も、時代と社員によって変遷していくことを忘れないでほしい。

本ブログをきっかけに転職を決めた人は、リクルートエージェントへの相談がお勧めできる。また、ハイキャリアの方はJACリクルートメントに相談するのも良いだろう。自分一人で見つけるよりも、プロの目から転職先のアドバイスをもらった方が十分に良い結果を得られる。

また、紹介だけが不安な場合は、並行してビズリーチに登録するとよいだろう。エージェントからの紹介と、企業からの直接のスカウトを並行して比較することで、有意義な転職活動ができるはずだ。

今の自分を変えたいと考えている人にとって、一歩踏み出す勇気となれば嬉しい。
今日は以上だ。