新卒-金融

現役銀行員が語る。銀行の経営不振が現場に与える影響と内情

銀行業界の不振にかかわる報道は今に始まった話ではないが、直近のみずほフィナンシャルグループ(みずほFG)のニュースには、銀行業界全体が大きく震撼した。

2019年3月6日にみずほフィナンシャルグループが発表したのは、2019年3月期の決算で、6800億円という巨額の損失を計上するというニュースであった。

みずほフィナンシャルグループは、2017年の下期に構造改革を打ち出し、従業員と店舗の大幅削減を打ち出していたが、乗り切れなかった。

日本全国に広がる店舗と銀行員、システムなどの固定費が重くのしかかる一方で、人口の減少や金利ダウンで収益が低迷する。

この構造的な課題は、もちろんみずほフィナンシャルグループだけの話でない。他行も遅かれ早かれ、同じ道を歩むことは想像に難くない。

筆者のもとにも、さっそく複数の銀行員の方から、転職相談が舞い込んできた。その中でも、ある大手銀行の在籍者の方から伺った内情がなかなかに衝撃的だったので、インタビューさせていただいた。

なお、すでに銀行からの転職を考えている方は、ビズリーチに登録すると良い。銀行員が多く使っているし、銀行出身の転職エージェントからスカウトが多くくるだろう。

転職活動は情報戦だ。常に需給が変動する転職マーケットでは、情報の鮮度が命である。銀行員の転職に詳しいエージェントとアポを取り、じっくりヒアリングするのが一番効率的かつ確実だ。

みずほの決算ニュースでついに転職を決意

なぜこのタイミングで転職相談をされたのですか?

もちろん何年も前から、銀行業界全体も、自分の勤務先の銀行も、先行きが怪しいことは気づいていました。

しかし、今年度に入って、勤務先の銀行の業績悪化を感じる出来事が激増したんです。その上で、みずほフィナンシャルグループの決算のニュースを見て、もう限界だと思いました。

勤務先の銀行の業績悪化とは、具体的にはどのような状況でしょうか?

今年度に入ってから、勤務先の銀行の経営状態の悪化が、週刊誌や経済誌を中心に、ゴシップ的に取り上げられることが増えてきました。

相次ぐ報道を受けて行内がざわついたので、上層部から「報道されている通り、利益が過去よりも減っていることは事実。しかし、利益はしっかり出ているので、経営上の問題はない。これからも、今まで通り安心して働いてほしい」というメッセージが出されました。

それを受けて、職場はどんな反応でしたか?

上層部が言うよりも状況は悪いのではないか、という噂は蔓延しています。なぜかというと、福利厚生がこの一年で大幅にカットされたからです。

現場ではすでに待遇の悪化が始まっている

もともと、弊行の年収はそこまで高くありません。ただし、福利厚生が大変充実しています。
個人的には、福利厚生が、年収の2割くらいのメリットがあると感じていました。そのほとんどが2018年度に、一気になくなってしまいました。

福利厚生のカットとは、具体的にどのようなものですか?

まず、日本全国にあった保養所の利用終了です。特に妻子のいる行員は長期休暇に活用している人が多かったので、終了前の駆け込み利用が殺到しました。

次に、懇親イベントの補助の廃止です。
これまでは、すべて銀行が費用負担して、部署内の親睦を目的とした温泉旅行や、都内の高級ホテルでのパーティーなどを開催していましたが、廃止になりました。

スポーツ大会などのレクリエーションイベントも今年で終了のようです。
まあ、主に若手の行員は、幹事や司会、出し物の準備などいろいろと負担なので、そもそも楽しみにしている人は少なかったですが…。

また、細かい話で恐縮ですが、ある日を境に社食が悪化したことも衝撃でした(笑)以前よりも明らかに食事の量が少なく、美味しくないので、かなり原料費がカットされていると思います。
行員向けの、お得な金融商品も、気付いたら無くなっていましたね…。

社食の改悪、ビジネスクラス禁止令の激震

一部の部署でショックが大きかったのが、海外出張時のビジネスクラスの利用禁止です。
これまでは、海外に関連する部署では、定期的に海外支店の視察や会議参加を目的にした出張が行われていました。もちろん移動はビジネスクラス。「行員の身の安全を守るため」と、宿泊するのもかなりランクが高いホテルです。

複数人で出張するので、終業後の観光やグルメが楽しみだと公言する行員が多かったです。まあ、視察と言っても実質的には慰安旅行のようなものですね。今後は海外出張にアサインされる人数や、出張の内容が厳しくなるのではと、落胆が広がっています。

次にカットされるのは住宅手当では?という噂が行内で広がっています。
弊行では、光熱費込み毎月数万円で社宅に入居でき、それが可処分所得をぐぐっと押し上げているのですが、いずれ一般企業並みの手当に改悪されるのではということです。

よく考えると、これまでが恵まれ過ぎていただけでは、という気もしますが、いずれにせよ、弊行を取り巻く状況の悪化をひしひしと感じます。

上層部が「行員の給与には手をつけないように頑張っている」と言っているのを小耳に挟み、「いよいよ経営状態がまずいのでは」と思いましたね。上層部は、これまで従業員の待遇を維持したいと言っていたのに、こんな状況になってしまいましたからね。きっと給料も下がるのだと思います。

待遇悪化を受けて、エース行員の転職が増えている

転職者は増えているのでしょうか?

総合職は、だんだん増えてきましたが、まだ転職ラッシュというほどではないです。
一般職は、転職者は少ないですが、転職希望者は多いですね。

総合職は、エース社員から先に転職している傾向がありますね。特に、海外支社での勤務経験者が、外資系の金融機関に転職しているケースが散見されます。せっかく海外で経験を積ませても、その経験を踏み台にしてキャリアチェンジされてしまうので、銀行としてはがっかりでしょうね。

同じ海外経験でも、留学となると、帰国後にすぐに退職することができないので明暗が分かれている印象です。

一般職は、「早期退職希望者を募ったらすぐにでも辞めたい」と公言している人は多いです。なぜかというと、「今後、総合職の業務の一部を、一般職に担ってもらう」という方針が、一般職向けに発表されたからです。

業務の難易度や量が増える一方、もちろん年収は変わらないので、不満は出ていますが、みんなしぶしぶ従っています。30代後半以降の年次が高い一般職は、なかなか同待遇の転職先がないためです。

なので、若手の一般職が転職を発表すると、退職日まで、周囲から冷たい扱いを受けていますね(笑)30歳前後だと、国内・外資問わず、同業他社の一般職への転職が多いですね。

経営状況の悪化を打開する取り組みはされていますか?

個人的には、方針が迷走している気がしてならないです。びっくりしたのが、「デジタルイノベーション人材」的なスキルを持った人を、行内で募っていることです。

「AIやプログラミングのスキルがあれば、一般職でも起用するので手をあげてほしい」と言われても…そんなスキルあったら、もうとっくに転職していると思いますがね(笑)

上層部が、行内にそんな逸材がいると思っていること自体が本当にびっくりです。大丈夫なんですかね…。

また、「銀行業務のAI化」のプロジェクトが立ち上がっているのですが、まずは紙の稟議書を廃止してほしいですよ…。

銀行からの転職先は意外と多様化している

御行から転職している人は、どんな業界で活躍していますか?

辞めると肩身が狭い風潮なので、転職先をあまり明かさない人が多いですが、外資系の証券会社をはじめとする同業が多いです。ただ、最近は転職先が多様化していますね。

サービス業などまったく違う業界に転職して、隠れた才能が開花している人もいるし、辞めてもみんななんとかなっていますね。

転職した人に久しぶりに会うと、仕事が充実して輝いているので、転職して正解だったなと思います。弊行は、仕事で輝いている人は少ないので。ぐったりした人が多いです(笑)

安定した高めの年収に加えて、福利厚生のメリットも大きいので、仕事に不満はありましたが結局何年も銀行で過ごしてしまいました。私も早く転職すればよかったです。

編集後記

いかがだろうか。ここまで読んでくださった読者の中には、銀行員としてのキャリアに不安を感じている方も多いと思う。

筆者も、銀行勤務の優秀な方が心配である。30代で年収1,000万円を超えるのを楽しみに銀行で働くうちに、「元優秀層」、ただの人になり、銀行から出る道が途絶えてしまう。

今、少しでも将来に不安があるなら、のちのち後悔しないように、転職の情報収集だけでも行なってほしい。最終的に銀行に残ることを選んでも、なにかスキルは必ず身につけてほしい。銀行で一生懸命働いていても、銀行の外で生き残るすべは絶対に身につかない。

転職活動は情報戦だ。常に需給が変動する転職マーケットでは、情報の鮮度が命である。銀行員の転職に詳しいエージェントとアポを取り、じっくりヒアリングするのが一番効率的かつ確実だ。

ハイクラス企業に転職を考えている方は、ビズリーチに登録すると良い。銀行員が多く使っているし、銀行出身の転職エージェントからスカウトが多くくるだろう。

転職エージェントでは、JACリクルートメントを活用しよう。ハイキャリア向けの案件に特化しており、おすすめだ。この2つのサービスは必ず登録してほしい。

転職の情報収集や検討をするだけならリスクはない。くれぐれも後悔のないように、できることはやっておこう。

今日は以上だ。

2019年8月の転職トレンド

2019年8月時点では、各社の採用意欲は引き続き旺盛だが、求人案件数が減少する業界も現れてきている。例えば、積極的に採用を行っていたリクルートキャリアをはじめとする大手人材会社や、各コンサルティングファームも軒並み採用数が減少に転じている。人材業界やコンサルティング業界は、各社の業容拡大の支援を行う業界だ。だからこそ、各社が業容を拡大したいと感じる景況感が良いタイミングほど顕著に業績が向上する。そのような会社の採用人数が減じていることは、景況感の悪化リスクが高まる兆候だと言っても良いだろう。

今後は、景況感の悪化懸念が増すことで、多業種の求人案件が減少する可能性も高いだろう。そうすれば、キャリアチェンジの難易度は格段に上がってしまう。転職を検討している方には、早いタイミングでキャリアチェンジを行うことをお勧めしたい。

筆者のお勧め転職サービス

1位 ビズリーチ キャリアアップを考えるのであれば、まずは必ず登録すべき転職サイトだ。大手企業の特別求人やベンチャー企業の幹部求人などが多く掲載されており、求人の質が段違いに良い。また、多くのヘッドハンターやキャリアコンサルタントが登録しており、スカウトメッセージが届くこともある。自分の市場価値を知ることに繋がるので、直近での転職を検討していない方も登録すると良い。

2位 JACリクルートメント ハイキャリアに特化した転職エージェントであり、年収アップに繋がる転職支援に定評がある。年収が500万円以上の方や、その給与帯を目指したい方は登録すべきだろう。特に、年収1000万円前後の転職では日本有数の実績を有している。まずは、レジュメを登録し、キャリアコンサルタントとの面談に参加してほしい。
また、JACリクルートメントに相談した人へのインタビューは→こちら

3位 リクルートエージェント 日本一の実績を有する転職エージェントである。案件数が多いので、市場の情報を網羅的に収集することができる。また、キャリアコンサルタントへの教育が行き届いているため、どのキャリアコンサルタントが担当になっても、安定して質の高い支援を受けることができる。特に、若手でこれから実績を積んでキャリアアップしたい方は、必ずキャリアコンサルタントとの面談に参加すべきだ。

4位 アクシスコンサルティング お勧め度は4位としたが、コンサルティングファームに転職したい方には、一番お勧めしている転職エージェントだ。コンサルティングファームへの転職では日本有数の実績を有しており、主要なファームのほとんどと取引している。特に、事業会社に在籍するコンサル未経験者の支援には定評がある。どのファームでどのような選考が行われ、どうすれば合格できるかを熟知しているので、コンサルティングファームへの転職を視野に入れている方は面談に参加すると良いだろう。

5位 パソナキャリア 日本有数のHR企業であるパソナの転職支援サービスだ。丁寧な候補者支援に強みを有しており、候補者の性格や気持ちを理解しながら、ホスピタリティの高い転職支援を行ってくれることだろう。案件数はリクルートエージェントよりやや少ないが、仕事が丁寧で、自分に合った求人を丁寧に紹介してもらうことができる。他のエージェントの面談に参加し、違和感を感じた方には特にお勧めできるエージェントだ。