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「ベンチャー企業しか受けなかった」東大生の就職状況について現役学生にインタビュー

 日本最高学府である東京大学。東京大学は保守的であり就職状況にもさほど変化がないと叫ぶ人もいるが近年ではDeNAや楽天といったインターネット企業からマッキンゼーといったコンサルティングファームが就職人気上位に食い込んできた。今回はベンチャー企業に就職する現役の東京大学文学部4年生にインタビューを行った。

学生時代はインターンと家庭教師と部活にいそしむ

-自己紹介をお願いします。

神奈川県の私立高校を卒業後、東京大学の文系学部に入学しました。現在は東京大学文学部の4年生です。在学中は1,2年次は部活をしつつアルバイトをしていました。

大学3年からはインターネット企業で長期のインターンシップをはじめました。就職活動を経て2018年4月からは大手ベンチャー企業にビジネス職として入社します。

現在は内定者として内定者バイトに精を出す日々です。

-部活やインターンは具体的にどのようなことをしていたのでしょうか?

体育会のとある格闘技部に所属していました。そこそこ勝つことはできたのですが、オリンピックレベルの選手には勝てず格闘技をやっていることに疑問をもちはじめました。

そこで、部活を辞めて3年生の頭でアパレル系のインターネット企業にインターン生として参画しました。 元々服が好きだったんですよね。具体的には、これから売れるものを先買いをするいわゆるバイヤーをしていました。

服を流行に先んじて買っていると、先に買ったものが後々プレミアがつくことに気付きました。買った服は自分で着ずにタグも切らず保存して値上がりするのを待っていました。

東京大学内でも服に詳しいということで、ある程度信頼されていたこともあって自分がいいと思う服は売れるという自負がありました。

オフラインの買い手とオンラインの買い手をそれぞれ確保していたので仕入れた服の売り先に困る事はありませんでした。とあるブランドは元値(仕入れ値)は安いが、ブランドの中でもプレミアがつくものが一部あって、その服は元値よりもはるかに高く売れるんです。

そういったことをしていたら知り合いのマーチャンダイザーをしていた人の後釜としてあるベンチャー企業でマーチャンダイザー職を引き継ぐことになりました。元々の趣味が先行してインターンにつながった感じです。

-東大だと家庭教師をしそうですが、インターンシップをしたのはどうしてですか?

家庭教師は格闘技の部活をしていたときからしていました。時給がよかったので2年間継続してやっていましたね。だいたい時給は5000~8000円でした。実家暮らしだったので、少し遊ぶためのお金をアルバイトで捻出していました。

インターンをはじめてからは、インターンの稼ぎが家庭教師に負けないくらいよかったので家庭教師は辞めました。 アパレル系企業でしたが、服の知識に長けた人が社内にいなかったので自分の希少性が高かったため高い時給をもらいやすかったことも理由にあります。

あとは、ベンチャー企業でインターンをしたのは裁量権がほしかったという思いもあります。飽き性なので、ずっと同じことをしていると、なんとなく正しいやり方を見つけてしまうんですね。

-家庭教師だとどういう正攻法を見つけたのでしょうか?

家庭教師において大事なのは、子供を味方につけるのではなく、まずは親を味方につけることです。成績ってすぐには伸びないので、成績が伸びるまでに時間がかかることを親に理解してもらう必要があります。

しかりながら指導するスタイルだったので親としっかり関係を築けていると、子供をきちんとしかれることができます。結果的に子供への関与度合いが高まることに成功し成績をあげることができました。

飴とムチを使い分けていくことも大事です。成績があがったらゲームソフトを買ってあげるという家庭の話の仲介になることもしました。

ムチのほうもコントロールできます。成績が悪いとゲームを捨ててくださいということまで関与していました。 結果として生徒の1人は志望校だった東大に合格しました。

感性を大事にした働き方をしたいからベンチャーへ

-東大生は現在でも総合商社や損保、大手メーカーが人気ですが、なぜベンチャーへの志望を志したのでしょうか?

理由は3つあります。

1点目はソロプレイヤーの気質が強かったことですね。

2点目は飽き性なところですね。大企業に行った人に話を聞くと特にこの2点の傾向が強い人は向かないよと言われたので大企業は選択肢からはずしました。

最後は、総合商社の年次の上の方と話をしたことがありました。実際の年収を知る事があったのですが、偉くなっても大して稼げてなかったので、年収を考えると例えばフリーランスで稼いだ方が良いなと思いました。

親が比較的裕福で両親ともに大きな収入があったためその影響を受けています。 外銀だと年収は高いですが日系大手企業は年収的にも違うなと感じました。

-外資系投資銀行はいかがでしょうか?

あくまで自分の考えですが、外銀は定量的なことを重じすぎている印象を受けました。自分は感性をもっと大事にして仕事をしたいと思っていました。 自分の中でファーストキャリアは修業と考えているのでベンチャーはかろうじて望む条件を満たしているところだなという風になりました。

将来は起業をしたいです。したいというか、100%します。でないと自分の望む欲求を満たせないですね。

-東大生は大企業が多いですが、大企業志望の彼らを見ていてどう思いますか?

情けないなと思います。彼らの人生だから口出す権利はないのでどうでもいいですが。何事においても1番になることは大事だと思います。しかし、1番の定義を他人にゆだねているのはもったいない。

つまり、あいつと比べてどうとか、あいつよりいい会社に入ったからどうとか、あいつよりいい年収をもらってどうというのは国の最高学府を出て言うことは違うんじゃないかなと思っています。

-東大生は全体的にそういった考えの人が多いのでしょうか?

9割9分はそうだと思います。

-官僚になる人もそうでしょうか?

官僚になっていることを大事だと思っている、つまり地位が大事だと思っている人が多い印象です。一方、清貧(せいひん)な類ですが、国を心からよくしようと思っている優秀な人もいます。官僚になる人の1割くらいがこのタイプですね。

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キャッシュの多い企業が就職先の軸

-ベンチャー企業に複数応募していますが、応募先はどうやって選定しましたか?

私は入社したベンチャーを盛り上げることが目的ではなく、入社したベンチャーでどれだけ修行できるかに重きをおいていました。

そうなったときにP/Lにおけるキャッシュフローの潤沢さを意識していました。 今のベンチャー業界は大喜利みたいなサービスが多いという印象です。

ベンチャー業界内ですごいサービスをだしたという、狭い中で競っている感じがするけど世間一般で見るとたいして使われていないし、利益も出ていなかったりします。

実際にサービスで売り上げを出している企業は少なかったなと思います。実際にお金が生み出されていて、かつ自分もそのお金を生み出す裁量があるところに入社したいと考えていました。

-潤沢なキャッシュフローとなると、リクルート、楽天、DeNA等のメガベンチャーに限られてきますね。

そうですね。ただ、リクルートはどこのカンパニーが何をやっているかわからなくて受けませんでしたね。今になってみると受けてみるとよかったなと思いますが、なんとなく受けませんでしたね。

後はサイバーエージェントがあるでしょうか。

-サイバーエージェントはどうでしたか?

サイバーエージェントは素晴らしい会社だと思いますが、選考を一緒に受けていた学生が合わなかったですね。

個人のイデオロギーの問題だと思いますが、サイバーエージェントのインターンではみんなで仲良くしようという意識が強すぎてそこが合わないなと思いました。個人で競争していくのがベンチャーではないかと考えていましたので。

また、海外のベンチャーをよく知らないですが、裁量権のレベルが日本のベンチャーはない気がします。そのため、日本のベンチャー企業というのはずっといるような場所ではないと思います。

子会社の社長とかそういうんじゃなくてもっと根本的な裁量レベルみたいなのが違うなと思いました。

-ベンチャー企業の選考は簡単でしたか?

選考は各社の色が出ていたなと思いました。(メガ)ベンチャーと言えど金太郎飴的な人材を欲しがっている企業があるように感じました。

学歴があってそこそこ頭ができて、そこそこコミュニケーション力があればよいなという感じです。1人1人に向き合っていないなという雰囲気がある企業もありました。

私が実際入社する企業は、今まで私が大切だと思っていた価値観で私より優れている人がいると思いました。具体的には論理と感情という二面性のバランスですね。ロジカルな思考だけが行き過ぎるのは自分の目指すところではないと考えていました。

感情の部分では、人への興味からしか出てこないインサイトもあるのでそういった論理と感情のバランス感覚が優れている人がなかなか他社では見つかりませんでした。

修行といっても数年間を一緒に過ごす仲間なので、今の内定先の人達は自分が嫌だなと思う部分が比較的少なそうでした。そのため入社を決意しました。

-選考の話をもう少し。ベンチャー企業のインターンって具体的にどのようなことをするのでしょうか?

1週間程度の新規事業立案、ビジネスコンテストに近いものから、1~2カ月の間、実務の現場に放り込むインターンがあります。私がすすめたいのは実務の現場に放り込まれるインターンですね。

-現場に放り込まれるのは大変ですよね。どうやって自分の価値を出すのでしょうか?

まず、会社が何をやりたいか、そして何を成し遂げたいと思ってプロダクトをやっているのだろうということを考えます。次に全体の逆算から考え、人が足りていない部分を見つけます。

人手が足りていない部分を重点的に手伝います。 例えばですがどのプロダクトも論理の部分と感情の部分があります。チームによってどっちかに偏っているときがあるので足りていない部分で貢献しようとしています。

実際、自分の役割を見つけて、そこで価値が出せた人が内定になっています。

後は、身もふたもない話になるかもしれませんが、口がうまい人、つまりプレゼンができるかどうかも内定するにあたって重要な要素だと思います。自分の発揮した価値をきちんと伝える能力も必要だと思います。

-ビジコン形式の新規事業立案コンテストはいかがでしょうか?

選考という観点においては新規事業やビジネスコンテスト形式は機能すると思います。しかし、表層的なものが多く本質的なところまでは見れないと思います。 やっぱり1,2年間くらいぶち込んでみないと見えてこない部分も多いです。実際はそんなに長く選考をすることは無理でしょうが。

コンペで勝つことと、ユーザーに使われるサービスを作ることは全く異なると思います。 ベンチャーのビジネスだと、全部自分でやらないといけないと思います。その分、クリエイティブでない仕事も多いでしょう。

だから、たかだか1週間のインターンでは見えないと思います。 1週間で面白い大喜利(ビジネスプラン)を作る力はインターンでは見れるかもしれないですが本当のビジネスを作る力は見れないです。

船長をやりたい

-将来的にはどのようなことをしたいのでしょうか?

3つ自分が望むことがあります。

1.王様志向

俺がやって、俺がやりたいという思いがあります。しょうもない感情ですがそこに忠実にありたいです。自分が船長としてやりたいです。

2.日本の船長をやりたい

日本の船長とは行政だとかは国際情勢だとか色々なものがあるが経済面の船長をやりたいんです。何かを生むということが大事であるが、外貨を獲得していく必要があります。その外貨を獲得するサービスを作っていきたい。

弱い人から搾取して弱い人を弱らせて私腹を肥やすような船長にはなりたくないですね。

3.気の合う仲間と仕事をしたい

3番目に挙げましたがこの点が1番大事な点ではないかと最近思っています。楽しい奴と一緒に働けることで満足しては同人サークルになってしまいそうなので、順番はわからないですが、この3点を満たして働きたいです。

-周りの東大生と比べて全然違いますがなぜこのようになったのですか

受験戦争はただの情報戦争なんですよね。東京大学に受かったのは、ただ単に情報戦争に勝っただけだったので、東大だから偉いというのは違うなと気づきました。

実際私は、通っていた高校も進学校ではありませんでした。世間で言われる1流の道をいくということに価値を感じなくなったんですね。

就職という価値観においても、周りの東大生はお金を何のために稼ぐのかというと、欲しいものがあって使いたいのではなく、お金をもっていること自体に価値をもっているように感じます。

お金をもっていることで満たされる承認欲求に根付いているのでしょう。

-東大生でベンチャー企業に就職する人ってどんな人だと思いますか?

3パターンいます。

1. 外銀、外コンに入れなくて言い訳で入る人がいます。

外資系投資銀行や戦略コンサル等に落ちてしまって、今更日系大手に就職するのはかっこ悪くて行けない、だからベンチャーという人がいます。

外銀、外コンに入ってエリート面をしたかったのですができなくて、新しいことをやることを大事だよねと最初から言っていたふりをしてベンチャーに行く人がいます。

2.人と同じでありたいと同時に人と違う存在であると認識しないと承認欲求が満たされない人です。

人とは違うという行動をとることで承認欲求が満たされることがあります。ベンチャーはかっこよくない?と思ってベンチャー企業に就職する人がいます。

1,2の人はベンチャーに行く理由としては妥当な気はしないですが多いですね。

3.生き急いでいる人です。

やりたいことがあって、がむしゃらすぎる人ですね。何が自分ができるのかと、必要のないことを自問し続けた結果、学生のうちに独立したり、独立を志向してベンチャー企業に就職する人ですね。

外から見ると幸せそうには見えないかもしれないですが、自分のやりたいことをもっているかもしれません。これは東大には関係なくこういうタイプの人がいますね。目的があって官僚になる人がいるようなものです。

 優秀な人がIT業界に来てほしい

-東大という学歴で得をしたと感じたことはありますか?

親戚や地域の人から初対面にもかかわらず頭のいい人と認識されます。もっているとラッキーなものという認識です。必要なツールだとは思います。

 

-後輩でベンチャー企業を就職先の候補と考えている後輩に就職活動の仕方についてアドバイスはありますか?

ベンチャーを目指すのであれば、どの業界に行く人たちよりもはっきりしないといけないです。ファーストキャリアとどういった人生を歩むかが別々になって考えている人が周りに多いイメージです。

そのためベンチャーに行きたいならば、将来何をしたいかを考えたほうがいいです。ベンチャー企業で普通に働いていても年収は大きくは上がりません。役員クラスにならないと高年収にならないのと、役員は新卒ではなく、外資系出身の人も多いため、年収を目的とするのではなく、なぜベンチャーで働くかを目的をはっきりさせないといけないです。 

-ベンチャー企業を全く見ていない東大の後輩に何かメッセージはありますか?

いったん一人になってみて、消去法的でもいいのでベンチャーを見てほしいです。

優秀な人材が少ないというのがIT業界の問題点ですね。

IT業界をチームとしてみてたときにほかの業界に行かないでIT業界にきてほしいという思いがあります。とにかく優秀な人が来ない現状が周りを見ていてあるのでIT業界に来た方が刺激的ではないかと思っています。

-これから就職活動を迎える方に何かメッセージはありますか?

就活生を大学を問わず見ていると駅で泣き崩れる人がいます。また、ドトールとかスタバとかタリーズで人事に言われたことをノートに反省している様子を見ます。

私は就職活動を旅行しているみたいで楽しんでいました。企業に選ばれていたのはそうなのですが、自分で選ぶ立場にあると思います。 あまり思い詰める必要もないです。

人事も社会人経験がちょっと長いだけで色々と言われて落ち込んでいる人を見かけますが、言っている人事も大したことないはずだと思います。人事は神様ではないので安心してほしいです。企業優位な様子が変わっていない様子を感じます。

-ありがとうございました

編集後記

現役の東大生にインタビューを実施した。自分をもっているタイプの人間でありまさにベンチャーに行きそうな感じを漂わせていた。優秀な学生がもっとベンチャーに流れ込んできてほしいと感じているように、就職活動の在り方が少しでも本記事を通して変わっていただけると私としてもうれしい。

就職活動で新たにベンチャーを見たいという人は、ビズリーチ・キャンパスに登録すると様々なOBOGと会うことができるのでおすすめだ。またニクリーチはタダで肉が食べれてベンチャー人事と直接話ができる。

中途でベンチャー企業に転職したい人には、ビズリーチ等の転職サービスをおすすめしている。今日は以上だ。