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「複数のパートナーと働く経験をもて」コンサルティング業界の"炎上"プロジェクトの見分け方3

前回までは、プロジェクトの炎上理由、上司の問題点について言及した。今回はプロジェクト選択による出世の影響および、コンサルの転職事情について迫った。プロジェクト選びが今後の昇進、給与にかかわってくると思うので、現在コンサルの方も含めぜひご覧になっていただきたい。

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プロフィール(再掲)

現役コンサルタントX氏プロフィール:

大学院卒業後から戦略コンサルタントとして数々のプロジェクト担当。炎上プロジェクトをはじめ修羅場を経験。

コンサルティングファームAさん内定者

都内の大学4年生。卒業後、2018年4月から外資系コンサルティングファームに入社予定。プロジェクト配属に関して相談にきた。

*質問者はコンサルティングファーム内定者、回答者は現役コンサルタントである。

プロジェクト選びが昇進に影響

-実際に、プロジェクトや上司の選択が昇進の評価に影響するのでしょうか? 

はい、影響するでしょう。まず、やばい上司は、無駄に要求が高いことも多いので、そもそもの評価の基準が高く、その意味で評価が厳しくなる可能性は高いです。しかし、それ以外の面でも、やばい上司から評価をもらうことは危険です。

そもそもやばい上司は、あまり中長期的なことを気にしていないように見受けられます。部下を絞り倒せば、当然ですが悪いうわさが回り、将来的に人をアサインすることが難しくなっていくのは、少し考えれば自明でしょう。しかし、それをわかったうえで、気にせず部下を搾り取っているというのが要注意です。評価も短絡的につけられる可能性があります。

例えば、途中でプロジェクトを出ていった部下に対して、クビに等しいレベルの評価をつけるなどです。そもそも、そんなに能力が低いと思えないし、そのプロジェクトを炎上させていたといった特段悪い噂がないコンサルタントに、クビレベルの非常に低い評価が付いたとなれば、他の人はどう考えるでしょうか。「あのマネージャーと一緒に働くと、パフォーマンスが低くなくても、好き嫌いレベルの感情的な理由で、クビレベルの評価を付けられるリスクがある」と考え、警戒するでしょう。

残念ながら、この手の感情レベルとしか思えない理由で、非常に悪い評価を付けてしまうマネージャーは、ちょくちょく見受けられます。職を失うレベルの深刻な話なので、絶対に避けるよう、注意してください。

一方で、確かに、サイコパス系上司は価値観が狭く、低い評価をつけられる場合も多いでしょう。ただし、その狭い価値観にフィットする人であれば、気に入った部下を非常に強く推してくれる傾向もみられるため、高スピードで出世する道が開けます。

最速出世を目指す場合は、強く推薦してくれる上司を見つけることが大事ですので、その意味ではいい上司かもしれませんが、リスクは高いです。

炎上プロジェクトを乗り切ると評価が上がる場合も

-プロジェクト選びに関しては評価にかかわるのでしょうか?炎上しているようなやばいプロジェクトは避けたほうが昇進しやすいですか?

プロジェクトは、場合によりけりです。コンサルの仕事は多岐にわたり、お客さんと酒を飲んで関係性を築くことが成果につながるという仕事もありますし、DD(ビジネス・デューディリジェンス)のようにとにかく体力勝負みたいなプロジェクトもあります

また、人がたくさん抜けているやばいプロジェクトだからといって、評価が低くなるわけではありません。

プロジェクトが炎上していれば、マネージャークラスはマイナスな評価を受ける場合が大半でしょうが、アソシエイトクラスであれば、一概に言えないでしょう。

むしろ、仕事の量や質の側面でやばいと言われているプロジェクトをやりきると、あのプロジェクトを最後までやりきった人と見られ、周りからの評価が良くなることもあります。

早く帰るプロジェクトが良いのではなく早く帰れるように努力したことが成長へ

-最近は19時に帰っているコンサルタントの話を聞きます。早く帰れるプロジェクトを選択したとして、コンサルタントとしての成長につながるとお考えでしょうか?

難しい質問ですね。コンサルの仕事には、単純に分類してしまえば、考える仕事と手をうごかす仕事があります。手を動かす仕事は、資料作成といった類の内容で、スキルの側面が強いです。これらのスキルの成長を考えると、最初から早く帰れるプロジェクトは良くないと考えています。

最初は深夜まで働くようなプロジェクトで負荷をかけて、エクセルやパワポのスキルを身に着けながら、早く帰れるような努力をしたほうが、スキル面の成長においては良いと考えています。

そうすれば、その後、プロジェクトの忙しさに関わらず、仕事を素早くこなすスキルが身につくため、長期的に役立つでしょう。

逆に、この手のスキルを身に着けずに、中途半端に出世した段階で、とても忙しいプロジェクトを担当してしまうと、仕事のスピードが遅いため、リアルに倒れてしまうリスクがあります。

一方で、毎日深夜まで働くと、インプットが減って、世の中の動きに出遅れてしまうので知的なストックがたまりにくくなります。ずっと深夜まで働くのはコンサルタントとしては良いとは思いません。また、疲れていると、考える仕事の質を上げる余裕を持つことも難しくなり、ついつい単純に物事を処理してしまうようになるリスクもあります。

19時に帰ると、インプットの時間をとったり、仕事でもっと工夫できないかなと考えたりする時間ができます。このように、プラスαを自分でやろうとする意志があれば、19時に終わるプロジェクトは非常にいいです。

しかし、繰り返しになりますが、1年目などの早い時期に深夜まで働く忙しいプロジェクトを経験すると、手を動かすレベルなどのスキルなどが素早く身につくので、その後が楽です。

早く帰るためには顧客との信頼関係構築が重要

-早く帰れるプロジェクトで高い評価を得ることができるのでしょうか?

早く帰れる仕事はお客さんといい関係が築けている以上、悪い評価がつくことは考えにくいです。本来自分がすべき仕事を、上司に肩代わりしてもらっているなどの状況でなければ、自身の仕事をきっちりこなしていることになるため、いい評価がつくはずです。

ただし、当たり前ですが、プロジェクト内で自分1人だけ明らかに早く帰っているようなときは、そもそも仕事を任されておらず、チーム内で1人だけ役に立っていないことを意味しているため、評価は低いでしょう。

-コンサルタントはハードワークをして一流というイメージがありますがそのような点に関して意見はありますか?

クライアントファーストが重要な業界なので、クライアントの価値になるものはどんどんやろうという風潮がコンサルティング業界にありました。ですのでハードワークが一流といわれていたのだと思いますが、世界的にみてハードワークをしている法人は、一部の国くらいではないでしょうか。

ヨーロッパは、クライアント自体が早く帰っているという文化もあるのか、コンサルタントも早く帰っているパターンが多いです。

特に、海外だとパートナーが仕事を切って、減らすことで仕事量を調整しています。

外国人のパートナーは日本法人で仕事をしても、仕事をきって、不要な仕事を減らすことで労働量を調整するのがうまいですね。それがグローバルスタンダードのはずですので、現在の状況は、日本が欧米のコンサルタントとしての働き方に追いつき始めているのだと思います。

もちろん、様々なプロジェクトを担当する中で、本当にハードワークすべきプロジェクトは必ず存在します。例えば、ビジネスにおいて早く実行することが顧客にとってのインパクトになる場合は、コンサルティングファームは何が何でも急いで提案をし、お客さんに提案内容を早く実行してもらいます。そういった場合は、顧客と一体になってハードワークでプロジェクトを行うことも必要でしょう。

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成果物の質を調整することで労働時間は調整可能

-深夜まで働く場合はどのようなパターンがあるのでしょうか?

テーマそのものが難しい場合や、量や質と比較して、期間や人数が少ない場合が一つでしょう。しかし、それ以外にも、あまり必要と思えない調査や検討を実施しすぎているパターンもあります。

そもそもコンサルティングという仕事は、アウトプットの質を簡単に調整できます。例えば、時間が足りないのであれば、比較的必要性の薄い調査や検討を実施しなければ、その分時間を浮かせることができます。

このように、成果物の質を調整することで、毎日徹夜といった状況を防げます。上司が非常に働くことが好きな場合、神経質の場合、心配性の場合は、なんでも調査や検証をするといったことになりがちなので、徹夜の場合も増えるでしょう。上司の性格は、非常に重要なファクターの1つです。

-コンサルに今後なる方(転職や新卒)に社内で生き抜くためのアドバイスはありますか?

ご自身のスキルはもちろんですが、社内の人脈が非常に重要です。ただし全ての上司に気に入られるのではなく、自分の仲間となりえる上司を、少数で良いので見つけたほうがいいです。

小さいコンサルティングファームでも、パートナー全員と働くことは少ないです。一緒に働くパートナーを数人決めておけばいいのです。

日系企業だと、異動でどの部署にいくかわからないので、どの部署の部長ともいい関係を築かないといけないでしょう。

しかし、コンサルティングファームは違います。プロジェクトのアサインプロセスでも説明しましたが、部下も上司を選ぶことができるのがポイントです。相性のいい人や、質のいい仕事を持っているパートナーを探し、その人たちと働き続ければ、それで十分です。

ただし、パートナーの退職を見据え、複数のパートナーと一緒に働く経験をもっておくことも必要です。

コンペはお客さん主導になる

-競合とコンペをする場合もあるのでしょうか?

あります。

コンペをやる場合は、コスト勝負やプロジェクトのスコープ勝負(どれだけ広く検証するかなど)になるので、厳しい仕事も多いでしょう。

コンペは比較ができるため、お客さんが主導権を持ちやすいです。

コンペでなく、コンサル会社から提案に行く場合、お客さんも比較対象がないので、余裕をもったスコープや予算でプロジェクトに臨むことができる場合が多く、比較的穏やかなプロジェクトになる傾向があります。その意味でも、継続のクライアントであれば、提案しているコンサルが自社だけというパターンも多いので、良いプロジェクトが多いでしょう。

あとは、コンサルティング会社側から、これまでにない目新しい提案を実施する場合などでしょうか。

業界の話でいくと、利益率が低い業界は、価格にシビアです。一方、儲かっている業界や利益率の高い業界、例えばヘルスケア系などは、コンサルのフィーに対して、比較的おおらかです。

金持ちクライアントは、コストではなく、提案の中身やファームの質をしっかりよく見てくれるので、より中身重視のしっかりした提案ができる傾向にあると思います。

また、成長している企業は、そもそもコンサルがいなくても企業の業績が伸びていた可能性が高いのですが、業績が伸びたのはこのコンサルがいたおかげと解釈され、「引き続き一緒に仕事をしましょう」という結論に向かいやすいです。

ところで、やりたい業界ありますか?

-ないですね。おすすめはありますか?インターネットをはじめ、新しいことに興味があります。

比較的、新興の企業の多い業界がいいかもしれません。例えば楽天やDeNA、サイバーエージェントなど、比較的最近大きくなった、ITがかかわる企業を考えてみてください。日本の大手企業よりスピード感があり、新しい仕事ができそうですよね。

-そうですね。

一方、伝統的な業界だと、なかなか新しいことは少ないです。

-上記以外でおすすめはありますか?

ヘルスケア系企業のコンサルティングは、転職先も高給になるので、事業会社に将来転職して高い給料を得たい場合はいい選択かもしれません。

-自分が担当しているプロジェクトの業界に転職することもあるのですか?

山ほどいますよ。

事業会社経営企画の転職は多くはない

-製薬会社に転職したいから製薬プロジェクトをする人はいるのですか?

そのようなモチベーションでその業界を選んでいるのかまではわからないですが、少なくとも、金融の仕事をしているコンサルタントが、ライフサイエンス系の企業へ転職をするといったまったく畑違いの事例は、あまり聞かないですね。企業側からすれば、わざわざそのような人を採用しなくても、他の候補がいるでしょう。

-事業会社の経営企画への転職は多いのですか?

一般的な経営企画というと、コンサルと比べてまったりで、(本社が東京ならば)東京勤務になるので、転職する人がいます。特に既婚者で子どもができたりすると、経営企画へ転職しようとする方が増える傾向にありますね。ポストの数が限られるので、転職の難易度は低くないです。

-いい案件に入るにはどうしたらいいでしょうか?

地道に人脈を築きつつ、結局、上のポジションの人に気に入られている必要があります。

中途でマネージャー以上のポジションで入る人は、他のマネージャーがいるので、すでにお客さんをもっている場合をのぞくとしんどいですね。

アナリスト、アソエイトクラスのうちに、パートナーから信頼を得ておいたほうがよいです。

また、仮にやりたい業界があったとしても、その業界を担当しているパートナーが問題のある人だと、仕事の質に問題が出てきます。やりたい業界のパートナーがどういう人かを確認しつつ、時には第2、第3希望の業界にした方が、実りが多いかもしれません。

時間ですが最後に何か質問はありますか?

インターネット系に興味があるならIT、ハイテクをおすすめ

-コンサルタントとして1番最初に希望するにはどこがいいですか?

一概に言えませんが、インターネット系に興味があって、新しいことがしたい人では、ITやハイテク系の業界やプロジェクトに入ることをお勧めします。楽天、サイバーエージェント、Yahoo!、ソフトバンク、DeNAといった企業群と仕事ができる業界をイメージしてください。

 コンサルの仕事をしていると、お客さんが延々とどうでもいいことを議論しているのを目にすることもあります。何としてもここまでに目標を達成しなきゃという焦りがない企業が古い体質の企業にはまだあります。

一方、ITやハイテク系企業をはじめ、新しいことをしている企業は早く行動をしようという意識があります。

-ありがとうございました。大変参考になりました。

最初の1年つらいと思いますががんばってください。逆に最初1年つらくなかったら、仕事がよほどできるか、負荷がかかってないかのどちらかです。つらいのが普通なのでそこは気にせず、あくまで体を壊さない程度に、頑張ってくださいね。

編集後記:

3回にわたって、やばいと言われるプロジェクトと、そしてやばいと言われる原因、またプロジェクト選択による昇進の影響について述べていただいた。

現場のコンサルタントから生の声を聞くことができ大変参考になったのではないかと思う。

コンサルティング業界を志望している方にとって参考になったら幸いだ。これからコンサルに興味を持った方は、ビズリーチにぜひ登録しコンサルの門戸をたたいてほしい。コンサルの転職サイトとしては最も質が高いのでおすすめだ。

今日は以上だ。