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「プロジェクト配属前の面談は重要」コンサルティング業界の"炎上"プロジェクトの見分け方2

コンサルティング業界における「炎上」プロジェクトと「やばい」マネージャーの見分け方1前回は炎上プロジェクトとやばいマネージャーについて述べた。今回はコンサルティングファーム内における具体的なプロジェクトの選び方を内定者に向けて分かりやすいように解説した。正しい方向で成長できる一助となればよい。ぜひこれから転職する人は見ていただきたい。

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プロフィール(再掲)

現役コンサルタントX氏プロフィール:

大学院卒業後から戦略コンサルタントとして数々のプロジェクト担当。炎上プロジェクトをはじめ修羅場を経験。

コンサルティングファームAさん内定者

都内の大学4年生。卒業後、2018年4月から外資系コンサルティングファームに入社予定。プロジェクト配属に関して相談にきた。

*太字質問者はコンサルティングファーム内定者、回答者は現役コンサルタントである。

新規と既存のお客さんではどちらが炎上しやすいか?

-今日もよろしくお願いします。

私(現役コンサルタント)から質問ですが、プロジェクトの性質として、

「新規のお客さん」と「既存のお客さん」だったらどちらが「炎上(やばい)プロジェクト」になると思いますか? 

-既存のお客さんでしょうか?

これも、一概には言えないですが、新規のお客さんの方は炎上(やばい)プロジェクトになりがちです。

既存のお客さんは継続顧客であり、継続してくれているということは、ある程度こちらを信頼してくれています。一定以上の、期待値レベルのパフォーマンスさえ出せれば、プロジェクトが失敗になることはなく、また仕事も継続してもらえる可能性が高いです。

また、仮にプロジェクトが失敗してしまったとしても、これまでのプロジェクトが成功していたら、多少多めに見てもらえるお客さんも多いです。お客さんも、「今回は、我々の依頼の仕方や、依頼の内容がまずかったかな」と言った形で考えてくださったりします。このように、すでにお客さんとの信頼関係があると1度のプロジェクト失敗はリカバリできることもあります。

一方、新規プロジェクト(新規で獲得したお客さん)が炎上しがちなのは、まず、成果の基準がないので、絶対に失敗できない点です。そして、継続案件とするためには、期待値を超えるような、大きな成果を出して、クライアントに驚いてもらうくらいでないと厳しいので、通常の120%の力をだしてアウトプットを出さないといけなくなります。

期待値を満たした程度では、次のプロジェクトを、他の競合コンサルにも依頼をしはじめることがあるので、新規のクライアントにおいては、不十分な成果と言えるでしょう。

また、新規で獲得したお客さんが継続顧客になれば、当然マネージャーの手柄になるので、とにかく頑張ろうとし、プロジェクトが忙しくなります。

例えば、多くの調査や検証をしたり、パワポをつくりこんできれいな見た目にしたりします。パワポをつくりこんできれいな図を作りこむことは、仕事の本質ではないですよね。

新しいコンサルとの契約は顧客側の負担も

-そうですよね。新規だとお客さんの情報もなく情報収集から大変そうですね。

その通りです。既存のお客さんのことは、これまで担当したことがある同僚の誰かに聞けばよいです。

しかし、顧客の業務の理解からはじめる必要がある新規のお客さんは、スタート時点で時間がかかります。新規のお客さんのプロジェクトは、アウトプット出すという業務をしながら、該当業界や顧客特有の状況の理解をしないといけないので大変です。

新規プロジェクトというのは、お客さん側からすると、これまで使っていたコンサルティングファームに変えて新しいコンサルティングファームを使うことになる場合が多いです。

新しいコンサルティングファームと契約をするということは、会社の事情説明をはじめ、コンサルタントへの説明時間だけで労力を割かれます。お客さん側の負担も大きいので、顧客側からの期待も非常に大きいです。

具体例としては、業界だけでなく、企業特有の用語などがあります。まずこれらの用語を理解しなければなりません。プロジェクトメンバーに知っている人がいなければ、クライアントに確認することになりますが、時間や手間がかかります。

組織1つとっても、部署の種類の違いや、仮に競合他社と同じ名前の部署であっても担当業務範囲が違うなど、その会社のルールや常識を知らないといけません。

他にも、プロジェクトで実施した提案が、実際に業務に適用されるかなどは、人間の力学も作用するので、お客さんの会社内の派閥や人間関係を把握しないといけないです。

以上のように、プロジェクトをうまく回すうえでは、必須のものから望ましいものまで、様々な知識や知見があり、これらを少しずつ覚えていく必要がありますが、新規クライアントでは、それも大変です。

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プロジェクト配属前にマネージャーと面談

-プロジェクトに入る前に、コンサルタントにはプロジェクトの概要はどこまで共有されるのですか?

一般的には、人事から業界、お客さん(具体的な社名)、マネージャーの名前、アサインされた際に求められる役割などの情報が、短い量でまとめられたうえで、アサイン先の紹介が来ることが多いです。DD(デューデリジェンス)のような、機密性の高いプロジェクトだと、顧客名がふせられていることもあります。

その後、配属のための面談(マネージャーと)があり、その時により細かい話を聞くことができます。ファームごとに多少の違いがあるかもしれませんが、このような形でプロジェクト配属が決まります。

同時にアサイン面談を複数いれておくべき

-面談してマネージャーから話を聞いた後にプロジェクトを断るのはありなのでしょうか?

私の会社の場合ですが、マネージャーと面談して、その後、マネージャーとアサインされる予定のコンサルタントの双方がプロジェクトにアサインしたい、アサインされたいという意思を人事に伝えることで、はじめてアサインが決定するのが標準的なプロセスです。

-形式上断ることは可能ですが、断りにくそうですよね。

断るときはうまくやるべきですね。まず、他にプロジェクトの選択肢がないのに、断ることはできないでしょう。

アサイン面談をする際は、複数の面談予定を入れておくのがポイントです。同時に他のプロジェクトの面談を予定しておき、「もう一つの面談が終わった後に連絡させてください」として、そちらの面談後に断りの連絡を入れるか、あらかじめ面談を実施しておいて「先日もう1つ面談していたプロジェクトがあり、今日お話しをうかがった結果、やはりそちらに入りたいです」といった形で断ったほうがいいでしょう。

これは聞いた話なので正確ではありませんが、とあるファームは、プロジェクト決定において、人事主導の傾向が強いとも聞きました。会社によってプロジェクト配属の特色があると思います。

議事録の納品頻度に変化が

-様々な会社で働き方改革として労働時間がコンサルティングファームでも減っていると聞きます。実際のところどうなのでしょうか?

労働時間は確実に減っています。これは、業界他社でもよく聞く話ですね。

-具体的にどういう工夫で労働時間を減らすのでしょうか

いろいろな方法があります。例えば、これまですべての会議の議事録を部下が書いて、その議事録を上司にレビューしてもらい、お客さんに「納品」するというプロセスがありました。ですが、議事録がそもそも本当に必要なのかという議論もあり、事情が変わってきました。

もしお客さんに「納品」するとなると、間違いがあってはいけないし、見た目もよくないとコンサルの仕事の質を疑われてしまうので、丁寧につくる必要が出てきて、時間がかかります。 

そこで、最近の風潮として、クライアントへの議事録の納品を、可能な限り避ける傾向があります。そうすれば、コンサルティングファームの社内用としてのみ議事録が利用されるので、必要な内容や要件さえすべて網羅して記載できていれば、多少誤字脱字があろうと、体裁が汚かろうと、特に問題なしとなります。

さらにもっと進めて、そもそも社内用の議事録もいらないのではということで、議事録を作らない傾向もあります。

もちろん、非常に細かいことを議論するプロジェクトや会議であれば、証拠として議事録を残しておく必要があるのかもしれません。また、上司に欠席者がいる場合などは、臨時で議事録を作成することも多いです。

しかし、普通のコンサルティングであれば、議事録が必要とされる場面は少なく、マネージャーであっても、各自出席者が本当に必要な部分は、自分でメモを取っておくべきという風潮も広がってきました。

このような風潮の中で、特に合理的な理由もないのに、「とりあえず議事録を作っておいて」と言って、議事録を部下に作らせているのは、やばい上司やプロジェクトの可能性があります。

また、パワーポイントの作りこみ度合いも、重要な視点です。パワポがかっこよく作りこまれているのは、外部から見ると、優良なコンサルティングファームに見えてしまいますが、実はマネージャーが不必要にコンサルタントを働かせている、「やばいプロジェクト」である可能性があるので気を付けてほしいです。 

変なタイミングでのプロジェクトのアサインは要注意

-労働時間が長くなるプロジェクトの特徴は他にありますか?

人の出入りが激しいプロジェクトは要注意ですね。タイミング的に今じゃないだろうというところで補充やアサインの連絡が来たら、別経路で人に聞くなどしながら、理由を調査したほうがいいでしょう。

その理由が、担当のコンサルタントが転職で退職したからというものであれば、あまり問題ないかもしれません。

しかし、前任者が肉体的、精神的につぶれてしまったという理由や、今の人では能力的に無理だからといった理由で抜ける場合、炎上している可能性があるので詳細を確認しましょう。

プロジェクトの状態に関しては、当たり前ですが、担当のマネージャーに聞いても、正直な話が聞ける可能性は低いです。いいマネージャーさんであったとしても、「このプロジェクトは厳しいから、覚悟して入ってね」といったレベルの情報程度しかくれない場合が多いでしょう。やはり、他者からの噂が大事なので、こちらも社内で飲みにいって情報を仕入れたほうがいいでしょう。

編集後記:

今回は、プロジェクト配属の手順やコンサルが新しいお客さんを獲得した場合の期待値を超える難しさについて触れた。コンサルは社内の情報戦なので転職が決まって入社することになってもぜひ、転職エージェントと、社内にいる友人、知人等を活用し配属前に情報を収集しよう。また転職後でも転職エージェントと会っておくとこうした内部情報をいち早く仕入れることができる。ビズリーチは継続的に利用してほしい。

次回は、ポストコンサルのキャリアや、プロジェクトの入札について取材する。今日は以上だ。

第3弾です。

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